2010/05/26

借りぐらしなセシル・コルベル


Le vent m'emporte (風が私を運んでゆく) / Cécile Corbel

今暮らしているブルターニュ地方は、古くからケルト文化が根付いている国である。
相方の出身地、アイデンティティでもあるため、この土地には個人的に縁と愛着を感じている。

ブルターニュの言語や人、ものは「ブルトン(Breton)またはブレイズ(Breizh)」と呼ばれる。
ブルトン語はフランス語とは似ても似つかぬ言葉で、最初ラジオで聞いたときはドイツ語かと思った(笑)。

残念なことに、フランス革命後にこのような地方言語はひどく迫害され(ブルトン語しゃべったら牢屋行きとか)、今では田舎のほんの一握りの人にしか使われていない(話す人に会ったことすらないが)。

現代になってブルトン語復興運動なんてのもちらほらあるが、一度絶えかけた言葉をカムバックさせるのは容易ではない。それも人の歴史の業とはいえ、悲しいことである。


そんなブルターニュの伝統を受け継いでケルトの美しい音色を奏でるのが、ブルトン人歌手でケルトハープ奏者の セシル・コルベルさん。
彼女の旋律は美しくて強くて悲しい響きがする。
言葉が分からなくても日本人の心の琴線に触れるなにかがある。

この夏のジブリ映画 「借りぐらしのアリエッティ」 で彼女が主題歌と音楽を手がけると聞き、軽く驚いた。
しかし素晴らしいカップリングである。
それに、フランスで細々と続くブルトン語の歌い手の音色が、これからは日本でも生き始めるのだ(借りぐらしは日本語で歌うのだろうけど)と思うと、不思議で面白い。

たくさんの日本人に彼女の歌が届くといいだろう。
そして彼女が日本で何か面白いものを発見してくれたらいいだろう。

2 件のコメント:

Maki さんのコメント...

いいですね。大好きになりそうです。
テレビを持たない我が家では日本の今のことに疎かったりしますが。^^

カレパン さんのコメント...

HAREさん
コメントありがとうございます。
よろしかったら彼女の関連動画も見てみてくださいね^^

>テレビを持たない我が家では

テレビを持たない生活って自由ですよね~。
なるべく色々持ちすぎないようにしていますが、なかなかできないことです。